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婦人科

相談者

受精卵の老化

相談者:ゆきなちゃんさん(35歳/女性)

妊活雑誌とかで、精子と卵子の老化を防ぐ為に専門のクリニックで、凍結させてその時がくるまで、保存しておいてもらうみたいな事を読んだのですが、本当にそんな事が、できるのですか?
逆に不自然なやり方なので、ダウン症になるリスクが高くなったり障害をもって産まれてきてしまうリスクが高くなったりしないのでしょうか?

相談者に共感!

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2014/06/29 14:47

ゆきなちゃんへ、こんにちは。
受精卵の凍結は、当初は多胎妊娠を防止するために開発されました。一回の採卵で多数の卵子が採取されて多数の受精卵が発育しても、移植する胚の数をたとえば1個に制限すれば多胎妊娠を防ぐことが出来ます。最近では、採卵で得られた受精卵をその周期には一つも移植せず、全て凍結して別の周期に移植する方法もとられることがあります。これは採卵した周期に移植すると女性に危険が及ぶと判断される場合や、凍結して移植した方が採卵した周期に(凍結しないで)移植した場合より着床率が高いと考えられる場合に行われます。受精卵を凍結しても、その凍結受精卵から生まれてくる赤ちゃんには異常は多くならないと考えられています。
凍結保存法はこのように数々の利点がある方法ですが、いくつか気をつけなければならない注意点もあります。まず、一旦凍結して融解するという、物理的に大きな変化を受精卵に起こすため、一定の確率(5-10%程度)で受精卵が凍結融解後に変性してしまうことがあります。さらに大きな変化を起こすと、受精卵そのものが破裂してなくなってしまうこともあります。また、保存温度が上昇して一旦融解してしまうと、再度凍結しても細胞は死滅してしまうため、天災や火事の場合などは受精卵を失うことになります。これらの際の取り扱いは治療を受ける際にクリニックとあらかじめ取り決めておくことになります。同様のことが精子にも言えます。
何かありましたら、お気軽にご相談くださいね。

2014/06/29 14:54